最近、図書館によく通うようになりました。散歩がてら本を借りに行くと、結構いい運動になりますね。
今回読んだのは村上龍著のイン・ザ・ミソスープという作品です。
そのアメリカ人の顔は奇妙な肌に包まれていた。夜の性風俗案内を引き受けたケンジは胸騒ぎを感じながらフランクと夜の新宿を行く。新聞連載中より大反響を起こした読売文学賞受賞作。
引用元:イン ザ・ミソスープ © 2026 Gentosha Inc.(https://www.gentosha.co.jp/book/detail/9784877286330/)
小説の新聞連載って今もあるんでしょうか? 新聞とってないのでわかりませんね……というか、こんなグロテスクな作品が大衆の目に触れるであろう新聞に載っても大丈夫だったんですね。
平成10年くらいの作品みたいなので、まだおおらかな時代だったのかもしれません。
「いくらなのかな、三千円と書いてあるから、二十五ドルか、でもケンジ、ピープショーが見れてハンドジョブをしてくれて二十五ドルは安いんじゃないかな」
引用元:イン・ザ・ミソスープ 21P
単純に計算すると一ドルあたり120円。現時点だと大体160円くらいなので、大分円の価値も下がったなと呼んでいて思いましたね。
簡単に内容を要約するなら、とんでもない殺人鬼フランクを様々な場所(主に夜の店)に案内するといった感じ。
なにかドラマチックな展開があるわけではないです。これでもかとくフランクがいかにぶっ飛んでいるかが描写されているので、その文章を楽しむといった感じですね。
この作者らしい性的でダークな都会の描写がやはり病みつきになるんですが、少々本作ではくどさを感じます。延々と主人公が「こいつ人殺しなんじゃないか……」と不安がっている心情が書かれますからね。
その分、フランクが正体を現して殺戮を始めたときはストレスから解放されたというか、グロテスクな描写に反して爽やかな気持ちになってしまいましたね。やっとかよっていう。
グロ描写は別に好きではないのですが、ちょっと不満が残ります。なんというか催眠術だったり、血の出ない刺し方だったり、殺し方がファンタジーちっくなんですよね。まあ、その分フランクの得体知れない感じが演出されているので、悪いわけではないのですが。
そして、最後に総まとめ。村上龍先生の作品は最後に作品のテーマを登場人物が総括するというか、わかりやすく説明してくれるイメージがあります。
ですが、ちょっと本作の場合は詰め込みすぎな感じが否めません。伝えたいことは数十年経過した現代にも通ずることではあるのですが、ちょっと取っ散らかっている感じを覚えました。
そんな感じで同作者の「限りなく透明に近いブルー」や「コインロッカーベイビーズ」に比べるとあまり楽しめなかったかなという印象です。
ですが、いかれた人物の描写は好き。やはりこの人の文章が刺さるんだよな~。
読んだことのない方はぜひ読んでみてください。
